タエ子の備忘録

1992年生まれ。ワーママ。呟きの向こう側。

母と娘①

小学校4年生の2月13日。


私が母親を嫌いになった日。


大人になった私から見れば、

本当に些細なこと。


どうでもいいこと。


でも10才の私には、とんでもないトラウマを刻み込んだ日。


多くの小学校がそうであるように、

私が通っていた小学校も、

バレンタインデーには女子から男子へお菓子を配るのがならわしだった。


それなりにお菓子作りが好きだった私は、

母に100均でチョコレート用のカップを買ってもらい、

テンパリングしたチョコレートをカップへ入れると、

チョコペンでイラストを描いた。

まるで、デパートの高級チョコのようなイラストだ。

(当然小4クオリティーではあるが)


人数×3個が出来上がると私は満足し、

母に見せた。


「なんか物足りないね。

 朝まで、ママが何か用意してあげる。

 包装もママがやるから」


褒めるでもなくそう言った母は、

もう遅いから早くお風呂に入って寝なさい、

と私をいつものようにどやした。


少しでも抵抗すると殴られるので、

大急ぎで寝た。


よくできたチョコレート。

きっとみんなびっくりするだろう。


そう思いながら、

大急ぎで寝た。


【②に続く】