母と娘②
小学校4年生の2月14日。
私は、母に殴られないように急いで起きた。
急いでトイレに行き、
急いで着替え、
急いで朝ごはんを食べた。
急いだけど、結局「急いで!早く!」と言われた。
さて、歯磨きをしましょうかと思ったその時
「タエ子、これ」
母が紙袋を差し出してきた。
紙袋の中には、
私が選んでいない銀色の包装紙。
「ママが作ったバナナケーキ入れといたから。タエ子が買った袋には入らなかったから、前にママが買ってた袋に入れたよ」
早口で言う母。
どこか得意げ。
一体どんなものを入れたのか、
私が作ったチョコレートは入っているのか、
私が買ってもらった包装紙はどうなったのか、
気になったけど、怖くてきけず、
「そう…ありがとう…」
とだけ言って、受け取った。
反応が薄すぎたのか、
母は機嫌が悪くなって、
「ほら、早く」
と言った。
モヤモヤしながら急いで学校へ行き、
凡例通りにクラスの男子に配った。
他の子の淡い色にまざる、
よく目立つ銀色の包装紙。
「タエ子のだけやたらでかいな」
男子が笑っている。
「愛の重さだよ」
そう言って誤魔化した。
【③へ続く】
母と娘①
小学校4年生の2月13日。
私が母親を嫌いになった日。
大人になった私から見れば、
本当に些細なこと。
どうでもいいこと。
でも10才の私には、とんでもないトラウマを刻み込んだ日。
多くの小学校がそうであるように、
私が通っていた小学校も、
バレンタインデーには女子から男子へお菓子を配るのがならわしだった。
それなりにお菓子作りが好きだった私は、
母に100均でチョコレート用のカップを買ってもらい、
チョコペンでイラストを描いた。
まるで、デパートの高級チョコのようなイラストだ。
(当然小4クオリティーではあるが)
人数×3個が出来上がると私は満足し、
母に見せた。
「なんか物足りないね。
朝まで、ママが何か用意してあげる。
包装もママがやるから」
褒めるでもなくそう言った母は、
もう遅いから早くお風呂に入って寝なさい、
と私をいつものようにどやした。
少しでも抵抗すると殴られるので、
大急ぎで寝た。
よくできたチョコレート。
きっとみんなびっくりするだろう。
そう思いながら、
大急ぎで寝た。
【②に続く】
どこから話そうか
2020年10月21日。
昨日、
イオンの火曜市に行ったら思ってたより安く済んで、
レシートを見たら全部5%OFFになってた。
20日だったか。
そうか。
さて、
恥の多い生涯を送って来ました。
と書きたくてブログをはじめたけど、
結局何を書いたら良いのやら。
太宰治は詳しくないです。
むしろ文盲なんで、書けるけど読めませぬ。
どっから書こうかな、と思ってたら、
買ったもの全部5%OFFになってたよ。
ティッシュ買っときゃよかったな。
渋るんじゃなかった。
5%OFF…
あの、CMソングが苦手。
母が歌うから。
母は不思議なほど音痴で、
狂いそうになるほど不快。
私は別に絶対音感じゃないから、
あの短いCMソングを音痴に歌えるってことはものすごい才能をお持ちなのだと思う。
音痴のね。
音痴の才能。
こんな流れだから、
明日からは私と母の話を書いていこうと思う。